1年と数ヶ月ヴィーガンを続けてきてハッキリわかったのは、この世界が信じられないレベルで狂ってるってことだった。
肉を当たり前に食べていた頃に見えていた世界と、ヴィーガンになった現在の世界とでは、天国と地獄ほどの違いがある。もちろん、肉食してる世界が地獄。つまり、大多数が平然と肉食しているこの世界は、紛うことなき地獄ということになる。
感動的な映画やドラマで涙を流しなから、食卓には惨殺された動物の死肉が当たり前に並んでいる。生殺与奪を握られ、情け容赦なく殺されていった動物たちの怒り、悲しみ、恐怖が染みついた肉。臭みを取るためにゴテゴテの味付けがされ、血や脂、体液が滴るものを「肉汁が溢れ出す〜✨」などと嬉しそうに貪り食う姿は悪趣味の極み。こんなものを食べながら愛や平和を口にするんだから、正気の沙汰じゃない。
ファストフード店のハンバーガーのポスターは悪魔崇拝そのもので、死肉の間から脂肪を連想させる黄色いチーズや、流血を連想させる赤いケチャップが垂れている。あの広告はどっからどう見ても殺人と食人(共喰い)を表してるのに、そんなグロテスクなポスターを見て「美味そう〜」と口の中を涎で満たしてるなんて、肉食者はもはや悪魔の手先、悪魔の化身と言っても過言じゃない。
ほんと、一度でいいから自分がなにを食べさせられてるのか考えてみてほしい。殺した動物の肉をグチャグチャに潰して固めて焼いたものですよ、それ。
つい最近、動物愛護団体の理事長である杉本彩さんが、犬を虐待していた元販売業者との裁判で判決に納得がいかず、号泣会見をしているのを見た。SNSでは厳罰を求める声も多く、中には「犬も人間も同じ命」と書いてる人までいた。
そこまで考えられる人が間違っても肉食なんかしていないと信じたいところだけど、動物愛護団体の理事長である杉本彩さんでさえ、少量だけど肉を食べてるらしい。インタビューで畜産動物に関して訊かれた彼女は、「飼育環境を整えてあげたり、生きてる間は痛みやストレスをできる限り感じないように」などと、動物愛護を謳いながら畜産業を否定することなく、まったく見当ハズレなことを言っていた。
そりゃ動物虐待もなくなるわけがない。婉曲的とはいえ、殺して食べることや酪農での搾取が動物虐待にあたらないかと問われているのに、彼女は、生きている間の飼育環境さえ整えてあげれば、最後にぶっ殺して食っても好きなだけ搾取してもいいと言っているに等しい答えを述べた。
犬の話に戻すと、ペットが人間に虐待されない唯一の方法は、人間がペットとして動物を飼うのを一切やめること。それしかない。裁判になった犬の虐待は、犬をペットとして飼いたがり、ペットショップで購入しようとする人がいるから起きた。猫でも鳥でも、どんな生き物でも、人間がペットショップから買い続ける限り、同じ問題は必ず起きる。この問題を解決するためには、表面的な規制じゃなく、根本的な原因を是正するしかない。
そもそも、なぜ人間はペットを飼うの。可愛いから、淋しいから、動物が好きだから、それ以外の理由がある?こんな利己的な理由でお金と引き換えに動物の命を売り買いしてることの恐ろしさを、多くの人が理解してない。
ただの一度でも、動物側から人間に「飼ってください」「感謝して食べてください」と言ったことがあるのか。強制的に繁殖させられ、生まれた直後に親と引き離される。ショーケースに展示され、値段をつけられ、売れればペットになり、売れ残れば殺処分。畜産動物はもっと悲惨で、どんなに泣き叫んでも端から殺されるか一生涯奴隷搾取されるかの道しかない。この地獄はすべて、人間が彼らの命で金儲けすることから生まれている。
つまり、ペットの虐待問題と畜産業、肉食の抱える問題は、本質的にまったく同じだということ。金の力で動物たちの生殺与奪を握り、生かすも殺すも人間次第。利己主義と奴隷搾取の極み。他者の立場を顧みず、感謝すればなんでも許されると思い込む人間の偽善、傲慢、非道さそのもの。
心底恐ろしいのは、わたし達が動物たちにしていることが、そっくりそのまま人類に返ってきてること。
長くなったので続きはまた次回に笑