銀次のブログ

日々の何気ない思考を書き連ねる

もし、明日死ぬことがわかったら

暇を持てあましてどうしようもないとき、くだらない空想をするこがよくある。たとえば、

宝くじで10億当てた世界

通帳に記帳された1,000,000,000の数字を眺める時間。仕事を辞めるための嘘の口実。親切な大家さんの為に今の部屋は引っ越さず、キープしたまま新しい部屋を探す。家族や友達に高額当選がバレない程度のささやかなプレゼントを送り、あとはどうしよう?そんなことを考えながら見慣れた自宅付近を散歩する。随分簡潔に書いたけど、実際は細部に至るまでかなり詳細にイメージしている。

しかし、そこから先は、何をどう想像しても浮かばない。世界が今とまったく違って見える感覚だけはあるけど、もともと物欲がほとんどないから、10億当たったから買いたいと思うものが何一つない。

そっか、だからわたしには10億が当たらないのか笑

10億あっても今の幸福度と大差ないなら、そんな大金、あってもなくても同じなんだ。ああ、至極納得。唯一憧れるのは、労働からの解放。出来ることなら一生働きたくないし、ずーっと引きこもって好きなことだけやってたい。ゲームに読書、映画鑑賞で一生終わってもいい。ときどき登山して、UFOが飛んでないか夜通し空を眺めたり。そんなんでいい。

あ、否、今パッと見えた。習い事をしにいく。デッサン教室や書道教室、正しい歩きかた教室、モノは試しに速読トレーニングの学校行ったり。なんだ、案外やりたいことあるじゃないか。一安心。

 

じゃあそろそろ本題に入るか笑

 

もし、明日死ぬことがわかったら、みなさんは何を考え、どんな行動を取りますか?期限は24時間。今から24時間後に確実に死ぬ。例外はなし。大切な話の途中だろうと、トイレの最中だろうと、きっかり24時間後に死亡する。はてさて、どうしましょう。今日は暇だからそのことを空想してみた。

 

もし明日死ぬことがわかったら。

 

大前提として、24時間後に死ぬことは誰にも言わない。言ったところで信じてもらえないだろうし、自殺を疑われても話がややこしくなる。最初の行動は、思いつく限りの人に感謝の言葉を伝える。なるべく簡潔に、サラッと。基本はラインかメールだろうな。返信は気にしない。というか、この段階では見てる暇がない笑

次にやること。

醤油やみりん、調味料の中身を片っ端からシンクに流す。キッチンに置かれてるものを分別してゴミ袋に次々放り込む。一番お気に入りの服に着替えて(シンプリスト目指したのでロクな服ないけど笑)、それ以外の服は全部ゴミ袋に。部屋にあるありとあらゆるものをゴミ袋に詰める。遺品整理の際、明確にゴミだとわかってもらうためだ。

次。

ある程度部屋の物が片付いたら、パソコンのHDDを初期化する。どんなデータも二度と復元できないように物理フォーマットをかける。この時点で部屋は大量のゴミ袋と家電、寝具のみになってるはず。もともと物は少ないし、どうせ死ぬなら迷いはないから、2時間もあれば片付けは済むだろう。

残り22時間。

ふと思いついて、ゴミの回収業者にゴミを引き取ってもらう。6畳の部屋に残されたのは寝具と家電だけ。途端に殺風景。小腹が空いたので飯にする。ゴミを出したくないので外食。近所の日高屋に行き、なんの変哲もない唐揚げ定食を頼む。最後の晩餐に特別な物はいらない。帰りにコンビニで最低限の飲み物を買い、帰宅。

残り20時間。

何もやることがない。だから、死ぬ1時間前に必ずやらなければならないことを考える。唯一の家族である姉にだけ、電話で死ぬことを伝える。必然的に遺品整理は姉がすることになるだろうから、銀行のキャッシュカードの暗証番号を伝え、遺言ノートに書かれた連絡先にわたしが死んだことを知らせて欲しいとお願いする。姉はもちろん信じない。しょーもない冗談を言ってると思われる。それでもいい。この世でたった二人きりの家族、唯一無二のきょうだいにだけは、最後の別れを言っておきたい。そして、電話を切ってから正真正銘の遺言を書く。

 

 

みんな本当にありがとう。

これ以上の言葉が見つからなくてもどかしい。

あなた達と過ごせてしあわせだった。

またいつか会えることを願って。

 

 

残り18時間。

まだ6時間しか経ってないことに驚きつつ、布団に入って目を閉じる。生きてるって不思議だな。いつかみんな死んでしまうのに、誰もそのことを真剣に考えない。死なないのが当たり前みたいな顔して生きてる。

24時間後に死ぬとわかったら、人間関係で思い悩んでた人たちはどう感じるだろうか。自分たちの悩みが死に直面した途端、急にチッポケなものに思えたりするのかな。

一度きりの人生だからと、何かを成し遂げようと頑張ってきた人たちは、この世で手にした一切の成功を、あの世に持っていけないことに嘆くだろうか。

このとき、わたしは自分の中に寂しいという感情がまったくないことに気づく。もうすぐ死んで、家族にも友達にも二度と会えなくなるというのに、ほんの少しも寂しさを感じない。むしろワクワクしている。

スマフォを手に取り、youtube丹波哲郎が霊界について語る動画を見る。死後、人間の魂は物凄い速度でトンネルのようなものを抜け、現世での行いが正しければ天国に行き、悪行三昧の人間は地獄へ落ちる。天上界では願いがなんでも瞬時に叶う。頭に思い描いたものすべてが、即座に目の前に顕われる。なんでも叶うなら、いろいろ願いはある。だけど、そもそもわたしは天国へ行けるんだろうか。

残り15時間。

意外に24時間は長い。働いてるとあっという間に過ぎるのに、なぜだか今は時間の流れが穏やかだ。もうすぐ死ぬというのに、死後のことが気になってワクワクしている。魂の存在、霊界の存在、宇宙の真理。死と引き換えに真実を知れるなら、喜んで逝きますとも。

 

が、実はこの話にはオチがある。

 

わたしは神の恩恵を受け、24時間後に地球人類が滅亡することを知らされた唯一の人間だった。24時間後に死ぬのは、わたしだけじゃない。地球上のすべての人間が同時に死ぬのだ。しかし、誰もそのことを知らない。みんな当たり前の日常を、当たり前に生きている。

わたしは長い間ずっと、自分が死ぬ日を知りたいと願っていた。できれば正確な日時まで。今その願いが叶えられ、残すところ数時間になった。

 

ようやくわかったよ。

 

生きるって、こういうことなんだね。

 

 

という空想w

おあとがよろしいようでw