銀次のブログ

日々の何気ない思考を書き連ねる

豚を殺す夢を見た話

つい先日、豚を殺す夢を見た。

よくある学校の理科室みたいな部屋で、椅子や机が乱雑に倒れている。そして、部屋の中央に一匹の黒い豚。黒猫みたいに全身が真っ黒だった。わたしはどういうわけか、

「実際に殺してみないとどんな気持ちかわからない」

という意識で、手にナイフを持っていた。

不気味なことに、わくわくしていた。生き物を殺して食べるとは実際どういうことなのか、これでようやく知れる。わたしは豚の背後から覆いかぶさるように腕を回し、持っていたナイフで首を切り裂いた。

パックリと肉が裂け、夥しい血が流れでる。豚は暴れることなく、その場に倒れて痙攣している。その姿を見た瞬間、いや、実際はナイフで首を切り裂いた瞬間、物凄い恐怖が襲ってきた。今まで生きてきて、これほど恐怖に満ちた罪悪を感じたことがない。犯してはならない罪を犯した感覚があった。もう自分は、以前の自分には戻れない感覚があった。頭がパニックになって、豚の死体を隠そうと必死になった。どうやっても人に見つかってしまう。もうどうしようもない。自分は殺人者になったんだと、恐怖の中で呆然と立ち竦んだ。

目が覚めたとき、夢でよかったと心底安堵した。

でも、現実はこんな夢よりもっと残酷なんだよね。毎日数え切れない動物たちが人間の食料として殺されている。たとえ直接手をくださなくても、誰かが代わりに殺してくれる。

屠殺の仕事は尊い?そんなわけない。あんな仕事、今すぐ世の中からなくなるべき。たとえ夢の中でも、実際に殺してみてようやくわかった。肉食がどれだけ恐ろしい行為で、殺人となんら変わらない罪なんだってことが。

街中が肉食レストランで溢れかえり、人間は馬鹿みたいに洗脳されて、悍ましい悪魔崇拝の儀式に加担させられている。笑顔で肉を頬張る姿は、悪魔そのもの。自分が邪悪な存在の手先になって、知らず知らずに殺戮に加担させられている。どんなに善人ぶっても、どんなに動物愛護の精神があっても、肉を食べている限り、欲のために他者を殺し続けることになる。

できることなら、肉食しているすべての人にわたしが見た夢と同じ夢を見せてあげたい。夢でよかったと安堵しても、過去は消せない。たった一匹の豚を殺したときに感じたあの恐ろしい罪悪を、知らず知らずに数えきれないほど繰り返してきた。虐殺された肉で溢れかえる狂った街。狂った人。その呪詛を受けて人間同士もいがみあい、傷つけ合い、奪い合って殺し合う。もうやめましょうよ。ほんと、いい加減に。

 

おあとがよろしいようで🫰