既婚の車は年季が入ってて、パワーウィンドウこそついてるものの、80年代後半あたりのデザインを彷彿させるAT(オートマ)セダンだった。
にしても、なぜ年齢詐称の既婚ババアとドライブなんか行くことにしたのか、我ながら謎である……。
◼️車中の会話◼️
「あのぉ、申し訳ないですけど、既婚さんのこと責めるつもりもないし、嘘なら嘘でいいですから、本当の年齢教えてください。絶対45歳じゃないですよね?」
「ええ〜、結構そういうとこ拘るんやね。そんな歳なんか嘘ついたってしゃーないし、ほんまに45歳やで。もう歳の話はやめにしよぉ〜」
は⁉︎コイツこっちが気ぃ使ってこんだけ言うてもまだしらばっくれるつもりかよ。しかもクソみたいにオネエやし!
「いやいや、絶対45はないですよ。むしろ、なんでそこまで頑なに嘘つくんですか?」
どっからどう見ても顔も声も体も70手前のクソババアやアンタはっ!
「わかったわぁ〜。もうしゃーないなぁ。じゃあホントのこと言うわ。本当は49歳w」
「は?昭和何年生まれの干支はなんですか?」
「えっ……。そんなん急に言われても答えれんよw」
はい嘘松乙!🖕
「自分の生年月日と干支ですよ?」
「ほら、年取るとそういうの忘れてくるしぃ〜w」
「年取るって、まだ45歳ですよね?」
「あなたと比べたら年取ってるってことやんw」
減らず口なクソババアだな畜生。
わたしは完全に呆れきって、もう既婚ババアに年齢を問いただすのをやめた。
「っていうか、僕むかしの話とか興味あるんで、戦時中の話聞かしてください。玉音放送とか生で聞いたんですよね?」
「ちょっw、そんなんわからんよ。だって子供の頃には戦争終わってたし。ただ、お爺さんとかお婆さんの話でどうやったとかなら話せるでぇ」
既婚ババアは当たり障りのない爺さん婆さんの又聞き戦争エピソードをいくつか披露し、わたしはそれを
ほぼ実体験乙!🖕
と思いながら静かに聞いた。
何度も書くが、この既婚、とんでもねえオネエである。そこまでオネエ丸出しでよくも子持ちの既婚をアドバンテージのごとく全面に押し出して出会い系やりやがったなあと、その図々しさにはなはだ呆れかえる。そして、百発百中でバレる年齢詐称。捨て身かよ。もうなんでも有りかよ。古希寸前でリビドー全開の魑魅魍魎かよ。
「奥さんとはどうなんですか?SEXしてるんですか?」
「もうこの年になったらそういうのせんよw」
「この年って、45歳ってまだまだ現役のイメージですけどw」
「もうそうやってすぐ歳のこと言うんやからぁ〜w」
「既婚さんの子供っていま何歳なんですか?」
「えっ……。それは秘密w」
「は?秘密にする意味わかんないですw」
どうせ子供30代半ばだろ🙄
ここでわたしは、ある事に気づいた。
既婚ババアの運転にはかなり癖がある。
スピードはあまり出さないにしても、信号で止まるたびにいちいちギアをNに入れるのである。
車を運転する人ならわかると思うけど、AT車で停止するたびにギアをNに入れるなんて、そんな面倒なことする必要がない。単純にブレーキを踏んでればいいだけ。なのに、既婚ババアは何故かギアをNに入れ、その度に「ガコン!」って感じで車が揺れる。これが額に水滴を落とす水拷問のごとく、ジワジワと効いてくる。
信号機の多い田舎道をずーっとぐるぐる回りながらドライブしてるから、しょっちゅう赤信号でつかまる。その都度「ガコン!」
ガコン!ガコン!ガコン!
おまっ、どんなけガコンガコンいわすんじゃいコラー!🖕
さっきからずーっと嘘ばっかつかれてるのと相まって、このガコンがかなりイラつく!笑
「あの、毎回止まる度にギアNにしなくてもよくないですか?」
「ああ、これ? 癖なんや〜。安全の為でもあるし」
「そ、そうですか……」
「そりより喉乾かん?何か飲み物飲もうよ」
「そうですね……」
既婚ババアはガコンガコンいわせながらコンビニに車を止めて降りると、
「えっ、降りんの?」
とわたしに言った。
「僕はまぁ、いいです」
しばらくして返って来た既婚ババア、缶コーヒーをパコっと開けて、自分だけグビグビ飲んでる。
は?俺のは?……は?😟
確かにまぁいいですっつったけど、アンタの嘘松話で疲れて喉乾いてるし、そこは俺の分も一応一緒に買ってくんのが30歳以上年上の人間の気遣いじゃろがいっ!🖕
なんじゃコイツ……。
水拷問ガコンと喉の渇きに苛立ちながら、
ドライブ再開である……。
再開すんのんかーい! www
③へつづく……w